審判の刻

審判は下った。

恋の終わりはいつもいつも、立ち去るものだけが美しい。
残されて戸惑う者たちは、追いかけて焦がれて泣き狂う。

まず、朝礼では『私用で午後から出社です』と告げられた。
この時点ではLINEが通じていて、「銀行で金をおろしてから行く」ということだったらしい。
上司が言った「私用」が「銀行で金をおろす」ことだと都合の良いように変換していた。
麻雀仲間はとにかく嬉しそうで、今日もギャラナイ夫と麻雀やるから勝つぞ!って意気込んでいたよ。



昼休みになってもギャラナイ夫さんは来なかった。
この時、LINEに既読がつかないってザワつきはじめていた。

そして定時になった。
もちろんギャラナイ夫さんは来ない。
電話したが出ない(繋がらない?)ということで、段々と殺伐とした雰囲気になってきた。

「遅れるなら連絡くらいするだろ、普通!」という声が聞こえた。
「遅れる?」まだ「遅れる」って思ってるのか?
おめでてーな。

ここでやっと「バックれたかも」って理解し始めたんだろう。
俺はいつでも帰れる準備をして状況を眺めていた。
イライラが募って場が殺気立ってくる。

最後は「アイツの家に行くぞ!」という意見が出た。

とうとう仲間割れ勃発!

笑いを堪えるのに必死だったわ。

さらに言えば、ギャラナイ夫さんはアパート住まいだったはず。(多分)
もう引っ越してるんだろうな。

昨日は出社して金を払うと安心させ、当日になって身を隠す。
相手を動揺させて仲間割れを誘発させた。
月末に払うという時点でギャラナイ夫さんの術中にハマったということか。
ただ給料日が月末じゃないことがバレたらヤバかったかも知れない。
俺が給料日のことを聞かれたときは「人によって違いますから…週払いの人もいるし」って答えたら勝手に相手が勘違いしてくれた。(俺が週払いだと思ったんだろう)
派遣会社に求職するフリして電話して給料日を聞き出すこともできたろう。
まぁ、そこまでする人はいないと思うけどね。

さらば、ギャラナイ夫さん。



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