小学校3・4年の時、同じクラスにA君という子がいた。
サラサラの髪で、目がくりっとした中性的な感じだった。
A君は休み時間も友達と話さず、ぼっちだった。(俺もぼっちだった)
ある日、俺が持っていたドラゴンボールの定規を見て、『格好いいよね、ドラゴンボールの定規』とボソッと話しかけてきた。
俺の記憶だと、A君と最初に話したのはこのときだった。
その後、ドラゴンボールのキャラクターは誰が好き?とか話しかけたけど、A君はあんまりドラゴンボールに詳しくないようで、話しは盛り上がらなかった。
でも、ドラゴンボールには興味があったようだったので『あげるよ』と言ってみたけど、『そういのはダメなんだ』というような事を言われて断られた。
ただ、それがきっかけでA君とはマンガやアニメの話しをするようになった。
半年後くらいには、学校にジャンプをこっそり持ってきてA君に渡すようになった。
ただA君は家には持って帰らず、休み時間にこっそりと読んで返してくれた。
ある日、母上にA君の事を話したら、遠まわしにA君の家について教えてもらった。
A君の家のことは父兄の間では有名らしく、ある宗教の家だった。
そういえば、A君は体育のサッカーとかリレーとか競うスポーツは全部見学だった。
当時は、そんな家庭もあるんだなぁ…ってくらいにしか思わなかった。
A君とは5年生のクラス分けの時に違うクラスになり、疎遠になった。
ただ、5・6年生のときには不登校になったという噂を聞いた。
中学校へ進学するときに引っ越してしまったので、A君と二度と会うことはなかった。
なんでこんな事を書いたかというと、日曜日に漫画喫茶で『よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話』というマンガを読んでA君を思い出したからだ。
A君がどうなかったかは知らないが、自分の意思で好きな人生を歩んでいて欲しい。
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