中央線とは相性が悪い2

15年以上前のことだが、今でも鮮明に覚えている。
ちょうど桜の季節だった。
仲間とパチスロへ行き、大勝したので居酒屋で飲んだ帰り道のこと。
夜11時くらいだった。俺は乗客がそれほど多くない中央線に乗った。
俺の横には女学生だろうか、当時の俺とそれほど年が変わらない女性が2人いた。
この女性のうちの1人は顔を手で覆い、何かに必死に堪えていた。
それをもう1人の女性が必死に励ます…。



酒を飲みすぎて、電車に乗ると揺れで気持ち悪くなる。
俺は何度も経験したことだ。
その顔は手で覆われているため確認できないが、血の気が失せて冷や汗が滲んでいるだろう。
俺はもしもに備えて、彼女たちから少しだけ距離を置いた。

もう少しで駅に着く。
最悪の事態が起こらないことを祈った。

しかし…その祈りは届かなかった。

やりおった!

とうとう最悪の事態が訪れた!!

うら若き乙女には似つかわしくない吐きっぷりだった。
必死で手を口に当てて防ごうとするが、一度出始めたものは止めようがない。
咳き込みながらも嘔吐は2度、3度と続いた。

ある者は嫌悪の、ある者は同情の表情を浮かべた。

車内の時間が停止したような錯覚を覚えた。
しかし、駅に到着したアナウンスが流れた。
それは時間が停止したことを否定し、俺の思考が停止したことを知らせてくれた。

ドアが開いた。
必死の励ましも水泡に帰した女性は、咳き込みながら座り込む女性の腕を掴み言った。

完全にグロッキーになった女性の腕を取り、車内からホームへ消えていった。
俺はこの経験が彼女の人生にどうかプラスになるように祈りながら隣の車両へ移動した。

これが俺が中央線で経験した最悪な出来事で御座います。
ご精読ありがとうございました。



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