まなぶ夫さんの最後の捨て台詞

まなぶ夫さんは今日で最後だ。
特に変わった様子はなかったけど、ちょっと上機嫌っぽく見えた。
定時になったら、まなぶ夫さんは課長に挨拶をした後、俺にも挨拶をしてくれた。



もう悪意しか感じられない挨拶だったよ。
明らかに子会社で働いてる俺を下に見て、自分は高みに行くぜって感じだった。
最後だから言いたい放題かよ…。
あくまで俺にだけ言った言葉だけど、声がデカイから建築士ちゃんにも聞こえていた。

まなぶ夫さんが帰った後、建築士ちゃんが怒っていた。

課長は『どうせ、アイツはどこに行っても同じことだから気にしないほうが良い』って感じで建築士ちゃんをなだめていたよ。
俺もどこ行ってもすぐに辞めたりバックレたりして長続きしないから人のことは言えないけど、多分、まなぶ夫さんも長続きしないだろうなぁ。

色々あったけど、まなぶ夫さんは職場を去った。
お疲れ様でした。



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